統一特許裁判所(UPC)、2017年12月より運用開始の見込み

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統一特許裁判所(UPC)準備委員会は、2017年12月初旬に統一特許裁判所協定が発効し統一特許裁判所の運用が開始される見込みであると発表しました。予定通りに進んだ場合、組織の設立を可能にする「暫定適用段階」はおそらく2017年春、おそらく5月には始まります。12月の制度開始に先立ち、既存の欧州特許を統一特許システムからオプトアウトする意思を示すことができる「サンライズ期間」は9月に始まる可能性があります。

この発表の中で準備委員会は、表明された予定は暫定的であり必要とされる同協定への批准等、多くの要素に依存していることが強調されました。2016年11月後半、英国知的所有権庁が同協定を批准する旨の発表しましたが、いわゆる「ハードブレキシット」に傾いている英国に関して、統一特許制度における同国の今後の役割は不確実な点が多いといえます。昨日のテレサ・メイ英首相の演説では、同国は欧州司法裁判所(ECJ)の管轄を終結させる旨が強調されましたが、これと同一特許制度の一員であることとは両立できないものと考えられます。

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